
クレヴィア恵比寿(2010年4月竣工) 神谷様
- スムーズに建替えが進められる「個人施工方式」を選択。
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恵比寿にあった1969年完成の8階建て・14戸の借地権付マンションで、大規模な改修が検討され始めたのは2003年頃。神谷様は当時を振り返る。「複数の区分所有者によって建替えも視野に入れた建替え検討委員会が発足したのですが、改修だけでも億単位のお金がかかるということで、みんな怖気づきまして(笑)。
しかし、そこで個人施工方式の等価交換事業なら建替えができるという提案をいただきました。個人施工は手続きが簡素で、事業期間が短縮でき、負担が軽くなるというメリットもあり、いろいろ悩んだ末、建替えを選択することになりました。」
- 合意形成に向けて、反対意見に対しても粘り強く説得。
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「権利者のみなさんの合意を得るのに、難儀しました。」と神谷様は語る。建替えの際、容積率の問題で等価交換の還元率が約80%にとどまり、「自己負担が増えてもより広い部屋が欲しい」派と「自己負担は無理」派に分かれたのだ。
さらに、「「十分に使えるのに建替えは性急」「趣のある古い建物が好み」といった価値観絡みの反対の声も挙がりました。しかし、建替えの際、借地権であったのが“所有権になる”というメリットがあったので、その話を軸に粘り強い説得が行われ、ついに合意形成を得ることができました。」
- リーマンショック直後の逆境の中、事業を推進。
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合意形成を経て、いよいよ着工という時に、2008年9月にリーマンショックが起こる。建築資材が高騰し、マンション販売価格が暴落。中小の建築業者が相次いで倒産し、大手でも事業から手を引くところが出ていた。しかし、そんな逆境の中、伊藤忠都市開発は建替え事業を力強く推進してくれたと神谷様は語る。
伊藤忠さんは、“個人施行は、区分所有者個々人との契約。個人との約束は守るのが当社の原則”と、事業を継続してくれました。」保留床の分譲という大仕事もあり、厳しい状況であったが、無事建替えを完遂。神谷様をはじめ多くの区分所有者の方々にご満足いただけた。