地権者様第一を貫くために、未知の領域に挑戦。

地権者様の利益を最大化すること。それが、私にとって、地権者様の信頼に最大限にお応えする道だと考えています。そのためには、常に地権者様の視点で価値創造に取り組み、ご提案することを大切にしています。その姿勢を根本から試されたのが、今回のプロジェクト「都シティ 東京高輪」でした。
地権者様は一般事業法人で、継続した安定収益を実現させるために所有地を有効に活用したいというご要望がありました。所在地は、JRの新駅が予定されていた高輪三丁目。その条件に素直に向き合うと、土地の売却でも分譲マンションの開発でもなく、地代が継続的に約束される定期借地権によるホテルの開発、というのが最適解でした。しかし、分譲マンション以外での定期借地権というスキームは当社として前例が少なく、ホテル開発の実績もありませんでした。もちろん、私にとっても未知の領域です。一瞬、逡巡しましたが、やはり地権者様第一の姿勢を貫くにはこの方針しかないと決断し、地権者様へ丁寧に説明し、提案させていただいた結果、賛同していただくことができました。

地主様第一を貫くために、未知の領域に挑戦。

多くの関係者の間の調整という関門を突破。

定期借地権ということになると、通常のレギュレーションは活用できません。そこで、司法書士や行政書士の方から専門的な助言をいただきながら、プロジェクトを進めていきました。また、事業構築を自社ですべて決められるマンション開発とは異なり、合意の必要な関係者が多いことにも、最初は戸惑いました。そもそも私自身、ホテルの開発に関しては素人であり、ホテル業界ならではの特殊な専門用語や仕様などを勉強するだけで四苦八苦。幸い、ホテルに関するノウハウをもつ伊藤忠商事に私が過去に出向した経験があったので、そのリレーションで共同開発のスキームを構築することができ、伊藤忠商事から貴重なアドバイスを受けることができました。
こうして、竣工後のホテルの売却先であるリース会社との交渉窓口は伊藤忠商事となり、私自身はホテルオペレーターとリース会社の意向のとりまとめや地権者様との連絡・調整に注力できるようになったことで、プロジェクトは一気に加速しました。

多くの関係者の間の調整という関門を突破。

人のつながりと心の“熱”を糧に、新たな可能性へ。

じつは当初、JR新駅の情報が不明確だったこともあり、ホテルオペレーターがなかなか定まらず、プロジェクトを断念しかけたことがありました。諦めかけていたとき、ある方から実績のあるホテルオペレーターをご紹介いただき、このプロジェクトを救ってくれる方と出会いました。いま思い返せば、あのときがターニングポイントだったなとしみじみ感じています。また、長い年月をかけ、すべての契約を取りまとめた後に開催された起工式で、地権者様から「向井君とは最初から一緒だったね。ありがとう」という言葉を頂戴したときは、それまでの苦労が吹き飛びました。その後、ホテルが建ち上がっていく姿を山手線から眺めるたびに感慨を新たにし、プロジェクトが全国紙の1面やテレビで紹介されたときには、まさにデベロッパー冥利に尽きると感激しました。
「都シティ 東京高輪」は、土地の最大活用に向けた当社の事業領域拡大と、私の仕事に対するスタンスを広げるという意味で、ひとつのエポックだったと自負しております。