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- インドネシア初の地下鉄開通
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2019年4月1日、ジャカルタで初の地下鉄となる「ジャカルタ都市高速鉄道(MRT)」第一号線が開通しました。
以前のレポートでも書きましたが、このMRTは日本のODA(政府開発援助)によって、全面的に日本の技術が導入されて作られております。開通前の3月24日に行われた開業式では、MRTの第二期工事(第一号線から北側に向かう延伸工事)の建設開始も発表されており、こちらも同じく日本のODAによるプロジェクトで2024年の開業を目指しているとのことです。
直後に行われた4月17日の大統領選挙では現職のジョコ・ウィドド大統領の再選が決まり、大統領が積極的に進めてきたインフラ開発の目玉の一つであるMRTの開通は、大統領再選に大きく貢献しました。
昨年8月にジャカルタで開催されたアジア大会を契機に、今回のMRT開通に向け、ジャカルタ市内の歩道や道路等は大幅に整備されました。この1年以内のジャカルタの街並みの変化は、目を見張るものがあります。さらに、今年中の開通を目指し、レバラン明け6月11日から、次世代型路面電車と呼ばれる「ライトレール(LRT)」の試運転も開始するなど、ジャカルタ近郊では、二重高速道路、新港、空港拡張等、今後も様々なインフラ開発が進められる予定です。
一方で、ジャカルタ最大の懸案事項である肝心の渋滞解消にはまだ至っておりません。
さらに、まだまだジャカルタの街中には昔ながらの街並みが多く残っております。
今後MRTやLRTの普及に伴い、渋滞緩和と駅前を中心とした再開発等が進められ、より街が発展していくことが期待されます。
日々変わっていく街並み、まだまだ変わらない街並み。
このように日々進化し、発展し続ける国に大きな刺激を受けつつ、また渋滞に突入する今日この頃です。
ジャカルタの路地裏風景とその先に見える高層マンション群 - アメリカのトイレ事情
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今回お伝えしたいのは、アメリカでのお尻事情です。少々汚いお話になりますが、ご容赦いただけると幸いです。
日本では一般家庭だけでなく、公共施設でもトイレに『温水洗浄便座』(商品名:ウォシュレット、シャワートイレ等)が常設されるようになり、寒い冬でも便座が温かく、快適にお尻の洗浄ができる環境が整っていて、日々の生活に欠かせない設備の一つになりつつあります。
しかしながら、アメリカでは一般的ではありません。住宅でも公共施設でも設置されていないことが普通です。駐在当初、『温水洗浄便座』付のトイレを探して端から端まで確認して回ったことは記憶に新しいです。ないことが当たり前だと分かった後、日本で携帯用を複数台購入し、お守りのように持ち歩いていました。同じ苦しみを味わった日本からの駐在員も大勢いると思います。
では、何故アメリカでは普及されていないのか。『温水洗浄便座』のパイオニアともいえる某日本メーカーさんのトイレ自体は、アメリカでは頻度高く見受けられます。筆者が住んでいるアパートにも某日本メーカーさんのトイレが設置されていますし、また、公共施設でも多く導入されています。なので、便器と同時に『温水洗浄便座』もセットで設置されていても良いのではないかと日々不満を感じておりましたが、いくつか理由があるようです。
まず一つ目は「衛生面」。いくら家族とは言え、他人が洗浄した後で自らのお尻も洗浄するのは、いかがなものか、と感じる方が多いようです。物心がついた頃には一般的に普及されていたような気がしており、特に何も考えずに使用していましたが、初めて利用する方にとっては、確かに生じ得る違和感だと納得しました。
二つ目は「コスト面」。アメリカの住宅は基本的にはとても広く、各部屋毎にトイレが備わっていることも珍しくありません。家によっては、一人一個以上のトイレが備わっていることもあります。その一つ一つに『温水洗浄便座』を設置すると当然ながら費用が掛かりますし、「試しに一台・・・」と中途半端に設置すると、家族内の不協和音を生じかねません。
三つ目は「水質」。アメリカは国土が広く、地域により水の硬度が大きく異なり、水質によっては、『温水洗浄便座』が故障しやすくなることもあるようです。その為、水質に合わせた『温水洗浄便座』を開発する必要があり、時間と費用を要していることも、なかなか普及しない理由の一つになっているようです。
他にも、電気コンセントが便器の横になかったり、宗教上の理由等、諸事情あるようですが、日本のメーカーさんの不断の普及活動により、少しずつ状況が変わってきているように思います。
先日、米国で最も規模が大きいと言われている住宅資機材の展示会に出席し、日本メーカーさんのブースに立ち寄らせていただきました。この展示会にブースを確保されていることだけでも大変なことなのに、『温水洗浄便座』の展示にたくさんの人が集まっていて、アメリカでも『温水洗浄便座』のブームが近いことを確信しました。“高い商品力は国境も文化も超えて普及される”ということでしょうか。
不動産デベロッパーとして、メーカーさんの販促活動のお手伝いをしながら、魅力ある商品をアメリカでも供給できるよう引き続き精進することを決意し、もうしばらく携帯用を片手に踏ん張ろうと思います。
伊藤忠都市開発の担当者が
現地の様子をお伝えします。
伊藤忠都市開発は新しい「明日の価値」創造に向けて、 中国、アセアンを中心に海外事業に取り組んでいます。
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執筆者・担当者紹介
<アメリカ・中国・インドネシア>
山田卓也(やまだ たくや) プロフィール
09年入社
幼少期にインドネシア・マレーシアで11年の在住経験あり。国内でオフィスビル等の用地取得・事業推進を経て海外不動産開発室へ。2012年3~7月、当社初の研修生として青島へ語学研修。
2015年8月~2019年9月ジャカルタへ出向。
現在は都市住宅本部に所属。山岡淳 (やまおか あつし) プロフィール
10年入社
2003年より中国在住。設計会社、マンション内装会社などでキャリアを積む。
2011年9月〜2017年3月、上海伊藤忠商事有限公司等へ出向し、中国事業での建築企画品質管理分野を担当。
現在は建築技術管理本部に所属。一ノ瀬雄貴(いちのせ ゆうき) プロフィール
08年入社
賃貸住宅事業課を経て海外不動産開発室へ。2013年4~8月天津へ語学研修。
2014年4月~2015年3月、上海伊藤忠商事有限公司へ出向。
現在は総合開発本部に所属。